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学生気分で。。。筑波実験植物園オープンラボ2014(1) [masa植木教室]

4月19日、国立科学博物館の筑波の実験植物園にて

普段は見られない施設が一般公開されるオープンラボが行なわれるとのことで行ってきました。

 

『国立科学博物館』というと。。

小学生、中学生の頃の遠足で上野へ行って、再訪した事が無かったような、、

恐竜やクジラの白骨や化石があったりとかしか記憶にありません。

 

しかしながら、なぜ?今さら科博??

 

かというと。。。

私が今感心がある植物、コケ、きのこ、水草、藻などの関係図書を読むと

必ず科博の植物研究室の先生方に繋がるんです。

調べてみると。。

このイベントで各博士のお話が間近に聞ける事を知ったから

訪れない手はないと感じて

植物園の植物を育てている圃場を見学できる「バックヤード見学ツアー」や

博士のお話が聞ける筑波実験植物園、研究棟へ向ったのでした。

 

初めて訪れるつくばの街は、駅前から学園都市の様相で

道は広く、公園も駅前にありちょっと奥にはロケットの姿も見える街でした。

ちょっとワクワクするような街を知るには歩くのが一番。

駅から歩いて約40分位かけてのんびり筑波実験植物園へと向いました。

 

開園直後からのバックヤードツアーに参加するため

一目散にツアーの受付に向いました。

バックヤードツアーは、この日、2回のみで各15名しか参加できません。

参加できる人数が余りにも少なすぎるので

「きっとバックヤードは狭い場所なんでしょうね。」と

受付前で並んでいる方と話していたら

案の定、温室のバックヤードはかなり狭い空間の中で

植物博士の先生はお仕事されておりましたよ。

 

バックヤードツアー参加は朝一で参加!必須です。

 

10時【バックヤードツアー】

前半は植物研究部の研究員の村井さんが解説して下さいました。

DSC_0176.jpg

まずは園内の誰でも見学できる地元の生物が植栽されている場所へ向い

筑波の固有の植物について伺いました。

 

DSC_0170.jpg

「ホシザキユキノシタ」というユキノシタの筑波固有の花の解説です。

丁度前日、我が家のユキノシタを株分けしたところでしたので

ユキノシタには興味津々。

筑波固有のホシザキユキノシタは、花弁が放射状に星の様になる花だと伺いました。

5月中旬頃にはお花が見れるそうです。

見てみたい。。と思いつつ後ろ髪引かれ

次は絶滅危惧植物のゾーンへ向いました。

 

「絶滅危惧植物」という忘れかけていた言葉から、昔の記憶が一気に蘇りました。

DSC_0175.jpg

私は以前、花を見に行きたいが為に山に登っていた時期もあり

絶滅危惧植物について記載のある図書「レッドデーターブック」を愛読して

花の自生地を見に廻りたい!と切願して山行していました。

ですが、やはり絶滅危惧植物なわけで

無くなりつつある花の咲く時期は、残雪が残っていたり、単独の山だったりで

季節的にも立地的にも、一般人には訪れにくいのです。

 

国の植物園は「守る」ことはひとつの使命である

と村井研究員が教えて下さいました。

 

なんと羨ましい職業なんでしょう~

(実際はとっても大変ですよ。ぜったい。)

 

植物園の使命は3つだそうです。

「知る」「守る」「伝える」

「知る」「伝える」は、植物自体・実態・その植物の楽しさなどです。

 

驚きだったのは「守る」についてです。

植物について、まずその植物が「生息している自然のもの」『野生種』を保存、守るのです。

 

今私が花屋で扱っているももの殆どが

植物名は同じでも『園芸品種』と呼ばれる、園芸用に育て易く繁殖されたものです。

植物園では園芸種は外されます。

 

植物園では、研究員が自生地に赴き、自然の『野生種』を採取してくるそうです。

同じ種類の植物があっても地域が違えばその地域ごとにも『野生種』を採取して保存するそうです。

地域によって植生が違っていたり、その地域にも生息している「記録」が

知る、守る、伝える事に繋がるそうです。

ですので同じ植物でも何千もの標本が残っているものもあるそうです。

 

村井研究員は高山植物の調査もしており

ご自身で採取してこられた貴重な高山植物の1株を見せて下さいました。

私が見たかった花のひとつだったので

「保存のため何株持って来れたのですか?」と質問したら

「3株です。」と。。。

 

やっぱりそういう状況なんだぁ。。。。

 

その地域の固有の植物を、国の機関が保存のために採取できる野生種は3株だけ。

それも各省庁、地域の許可を何度も何度も伺ってやっとの事だそうです。

違う植物でも、多くても10株が限度だそうです。

 

日本の植物の状況って、そのような危機的状況なんです。

 

乱獲や地域開拓によってその地の植生が全く変わっていってしまっている状況にあると思われます。

最近では温暖化、シカなどの食害もあるそうです。

 

私が持っている20年前のレッドデータブックを読み返してみると

「1/6が消えている」とありますが

現在はなんと

「1/4が消えている」とおっしゃっておりました、、、

 

はぁ。。。今、同じ山に行って調査してみたい気がしますね~

 

今ではフジバカマ、キキョウ、ヒメシャガ、シラネアオイも絶滅危惧植物だそうです。

DSC_0179.jpg

 

DSC_0180.jpg

 

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私が山に行っていた時はまだ自生地もあったり

良く見かけたお花だったのになぁ。。。と、少々ショックを受けました。

 

もちろん園芸品種は溢れるくらい見かけますし、我が家にもあります。

でも自然のままの植物は無くなっているのが現実らしいです。

 

野生種と園芸品種は全く違うらしい、というのも初めて身にしみました。

今や研究員自身が植物のDNA鑑定して色々調査するそうです。

 

今、私がお花を扱う立場になって

「自然のお花を紹介していきたい」と、これまで行なってきましたが

本当の自然のお花って何だろう??

私が見ているお花って??って

自然って??

という疑問に直面しました。

 

開発されたお花も、自然っぽい「山野草」と呼ばれるお花たちの園芸品種と同じ。

自然のお花を伝えたい私には何が出来るんだろう??

しかしながら

『固有種、野生種』は植物園に守っていただいて

同じ植物を身近で楽しむには近い種類の『園芸品種』でしかありません。

園芸品種でありながら、さらに綺麗に真っ直ぐに作り上げられている生花用の市場の花たち。

 

このように『野生種』から『園芸品種』、さらに綺麗に。。というように

綺麗に綺麗に花がつくらてきた歴史は

日本人は、「植物が好き」「自然を身近に感じていたい」という人種なのでしょうかね。

 

花を扱っているものとして

今の日本の現状をもっと知りたくなりました。

そして、日本の自然現状を伝えていかないといけない。。と改めて思った次第です。

DSC_0183.jpg

 

※圃場とバックヤードは写真撮影しておりません。

貴重な植物保存、研究の為ですのでご了承ください。

 

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このところ、自分で育てた花を中心に

皆さんに楽しんで頂きたい気持ちに動いてきている私。

どこか近くでお花を育てられる場所はありませんでしょうかね。

圃場が欲しい!!

 

話は変わりますが

今、TVで尾崎豊(懐かしいー)の特集をやっています。

私も十代の頃、自然の事を考えつつも尾崎豊を聴いてました。

この頃、もっと自然について追求していればよかった、、と今更ながら感じてます。

学生時代、これが親からよく言われた

「あの時勉強しとけばよかったーと絶対後悔するよ。」ってやつです。

 

そんなこと後悔したって仕様がないので

今だからこそ また新たに感じられる自然の状況ってのもあるだろうから(言い訳。笑)

今年はとことん日本の自然について楽しんで学んでいきたいと思っているところに

更に科博で自然史を勉強できる機会を得られました。感謝です☆

 

後半のバックヤードツアーはまた次回で。。。今回は熱く語りすぎました^^;


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